NISHIKIYA KITCHEN岩沼店外観

素材と味の「NISHIKIYA KITCHEN」。その開発力とチャレンジ精神。

Vol.02
株式会社にしき食品(NISHIKIYA KITCHEN)

岩沼市にあるレトルト食品メーカー「株式会社にしき食品」が展開する自社ブランド「NISHIKIYA KITCHEN」。「“手抜き”だと思われがちなレトルト食品のイメージを、NISHIKIYA KITCHENの商品を通して変えていきたい」という信念のもと、おいしさ・味わい・素材感の3つが揃った、世界各地の料理を手軽にいただけるレトルト食品を提供している。商品のラインナップはカレーやスープ、パスタソースなど全100種類以上もあり、非常にバラエティー豊か。素材・製法に徹底してこだわり、お客さまへ“おいしいごちそう”を届けるため、日々新しい商品開発に取り組んでいる。

「カンタン」だけど「本格的」。世界の味を手軽に家庭で楽しめるレトルト食品

多種多様なレトルト食品

約80社のレトルト食品の委託製造をはじめ、自社ブランド「NISHIKIYA KITCHEN」を展開している「にしき食品」。創業は1939年、もとは小さな佃煮店だったが、レトルト食品に対する需要の高まりとともに事業を転換した。さらに、顧客の声をより身近に感じることで新商品の企画開発力を高めようと、2021年に自社ブランド「にしきや」を「NISHIKIYA KITCHEN」へリブランド。目指すのは、「カンタンに食べられるけれど本格的な味」のレトルト商品だ。調理の手間を省きながら、世界のおいしい料理を手軽に食べてもらいたい。そんな思いから、インドのカレーやタイのトムヤムクン、イタリアのミネストローネなど、世界各国の味を再現した商品を開発している。
現在では年商69億円ものレトルト食品メーカーにまで成長。ここ数年はコロナ禍の“おうち生活”による需要も追い風となり、ますます売り上げを伸ばしている。

創業当時のにしき食品
創業当時。ここから「にしき食品」の挑戦が始まった。
リブランドに対する社員たちの想いが寄せられた手紙
「にしきや」から「NISHIKIYA KITCHEN」へ。リブランドへの、社員一人ひとりの想いが綴られた手紙。

立ち止まらずに、前へ。「ごちそうレトルト」にこだわった商品開発

レトルト食品のパッケージ

NISHIKIYA KITCHENはなぜ質の高い商品を生み出し続けられるのか。その理由は、なんといっても徹底して「自然のおいしさ」を追求し続ける、その姿勢にあるだろう。年間3000種類ものレトルト食品を試作するが、その中で市場に出るのはわずか100種類ほど。“世界の料理を「カンタン」に。”というコンセプトのもと、本場の味を再現した「ごちそうレトルト」にこだわる。

菊池会長の写真
体にやさしい、自然のおいしさを追求した商品開発に取り組む菊池会長。

例えば主力商品であるカレーレトルトは、本格的な味を追求するため、社員は毎年カレーの本場・インドへ赴き、現地のお宅や人気レストランを訪問。スパイスの使い方やインドカレーの味の出し方など、多くのことを学んでいる。インドの人々と触れ合い、食文化を肌で感じることで、これまでにない新たな着想を得られることもあるという。

インドの家庭料理を教えてくれる様子
インドの家庭料理をやさしく教えてくれるお母さん。本場の味も、地域や家庭によってさまざまだ。

素材一つひとつにもこだわり抜く。南インド原産のスパイス「カレーリーフ」は、鮮度が少しでも落ちるとせっかくの香りが引き立たない。当時の日本では新鮮な状態での入手は困難だったが、「手に入らないなら、自分たちで作ろう」と決意。困難に歩みを止めることなく、地元・宮城県蔵王にある農家の協力を得ながら試行錯誤を繰り返し、4年の月日をかけて、ついに本場の風味と変わらないカレーリーフの栽培に成功した。
水・塩・野菜といった素材もメニューにあわせて選り抜きのものを用い、化学調味料・香料・着色料は一切使用しない。妥協せず、本物志向を突き進む。このマインドこそが、おいしいレトルト食品を生み出せるゆえんだ。

栽培したカレーリーフの写真
カレーリーフは、柑橘系の爽やかさと胡麻のような香ばしさをあわせ持つスパイス。
レモンクリームチキンカレーの写真
シチリア産レモンを使用した、クリーミーな味わいが特徴の「レモンクリームチキンカレー」。

レトルト食品に新たな価値を。地元食材を活用して地方創生につなげる

「宮城の素材」シリーズのパッケージ一覧
「宮城の素材」シリーズのパッケージ一覧

2018年からは新たな取り組みとして、地場産野菜の旨味がギュッと凝縮された新商品「宮城の素材シリーズ」の販売もスタートした。このシリーズには宮城の“食”の魅力を伝え、少しでも地域の活性化につなげていきたいという願いが込められている。生産者と協力し合いながら、現在までに東松島産のスイートポテト、仙台産のちぢみ雪菜、大崎産のデリシャストマトなど、6種類の商品を展開してきた。
なかでも、東日本大震災の被害を受けた仙台市井土地区で新たな特産品として育てられている「井土ねぎ」を使用した「仙台井土ねぎのポタージュ」は、今年で発売4年目となる人気商品。スープを口にした瞬間、ねぎの強い甘みと風味をしっかりと感じることができる。
「日本各地には、知られていない素晴らしい食材がたくさんある。レトルト食品を通して全国にその魅力を伝えることで地域にも貢献できたら、こんなに嬉しいことはない」。NISHIKIYA KITCHENの社員たちは思いを一つに、今日も新たなレシピの考案に励んでいる。

デリシャストマトのキーマカレー写真
デリシャストマトのキーマカレーは、甘味と酸味のバランスが絶妙。

たくさんの人々が買い求める「NISHIKIYA KITCHEN」の魅力とは

現在5店舗ある直営店には、“ごちそう”を求めて毎日多くの人々が来店する。
目標は、一人でも多くの人に「また来たい」と思ってもらえる店にすること。将来的にはおいしいレトルト食品を店内で提供できる、イートイン併設店の全国展開も視野に入れ、さまざまな企画やコンテンツを充実させた店づくりを目指す。「今年もすべてのお客さまに、活気あふれる一年を送って欲しい」という想いから、「夢のカレー」アイディアを公募し、採用された案のレシピを開発するといった面白い新春企画も行い、多くの反響を得た。
「レトルト食品はまだまだおいしくなれる。お客さまの代わりに手間ひまをかけて作った“おいしい料理”を家庭へ届け、皆さんの食卓が毎日笑顔あふれるものになって欲しい」。
顧客の声に耳を傾け、顧客と共に歩む姿勢が、NISHIKIYA KITCHENというブランドの強みであり、魅力なのだ。

NISHIKIYA-KITCHEN仙台パルコ店外観
仙台パルコ店にはイートインスペースもあり、さまざまなごちそうをいただける。

株式会社にしき食品(NISHIKIYA KITCHEN)
住所:宮城県岩沼市下野郷字新関迎265-1
TEL:0120-19-2498

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